ご挨拶

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 「愛とはふたりの心の喜び、ふたりが分け合えば、それが愛」とは、ある中世のドイツの詩人の詩の一節ですが、しかし男女の愛ほど不確かで長続きしにくいものもありません。愛とはなにか、その定義はむずかしいのですが、長い結婚生活をおくるためには愛以外のことも必要です。それは、信頼、誠実、寛容、謙遜、思いやりといった人間世界一般に通じる、人間関係を豊かにする心のありようです。それが愛の中身なのかもしれません。
 結婚とはまったく違った環境で育った二人が共同の生活を営むということです。ときには感情むき出しでぶつかることもあるでしょう。社会生活を送っていれば自分の感情を抑えなければならないことが多々あります。逆に家庭は感情をある程度率直に出せる場でもあります。そのときは相手を理解することが重要になります。さまざまな葛藤や軋轢を乗り越えたとき、「二人は一体となる」という聖書の言葉が実感できるようになるでしょう。大いに喧嘩をし、大いに仲良くなってください。

明治学院学院長 鵜殿博喜

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明治学院チャペルにおける結婚式について

 お二人は、どのようにして出会われたのでしょうか?学生時代に知り合われたという方もあるでしょう。社会人として働き出してから出会われたという方もあるでしょう。どのような出会いであったとしても、お二人が今、結婚に向けての歩みを着実に進めておられることを心からお喜び申し上げます。
 明治学院チャペルでの結婚式は、キリスト教の礼拝形式で行われます。ここで結婚するお二人の出会いをわたしたちは「偶然の産物」とは捉えません。お二人それぞれのこれまでの人生を導き、出会いの時を与えてくださった、神によるご計画であると捉えます。
 ですから、そのようなお二人を出会わせてくださった神の御前において、神への感謝を表す礼拝の形で結婚式を行うのです。これは、なかなか簡単には理解できないことかもしれません。しかし、肝要な点ですので、司式を担当する牧師との結婚準備会、あるいは教会での礼拝出席などを通じて、キリスト教に触れ、神の御前で結婚することについて理解を深めていただくようにしています。

 「愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。」(新約聖書:ヨハネの手紙一 4章11節以下)

 お二人が、明治学院チャペルでの結婚式を通して、一層愛を深め、尽きることのない神の愛に包まれながら歩んでいかれることを願っています。

明治学院牧師 北川 善也